☆サムネ画像_小話


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902:  ↓名無しさん@おーぷん 19/03/01(金)22:32:16 ID:OXF.ak.jq
中学時代、同級生の間で将棋が結構流行っていて、6人でリーグ戦形式の大会をしょっちゅうやってた。
Sはメンバーの中で一番強く、ほぼ全勝か悪くて1敗。少し天狗になっているところはあったが、
実際に将棋が俺らの中で一番強かったからしかたない。

リーグ戦には入っていなかったけどクラスにTという男がいた。
たまに俺とも将棋を指していて戦いはいつも白熱したが結果は俺の全敗。
毎回激戦なんだけど必ずと言っていいほどいつの間にか負けてることばかりだった。

そのTを挑発したS。俺相手に互角の戦い(対戦成績ではない)をしているのを見て、
Sは楽勝できると踏んだのだろう。だが実は、後で知ったことだが、Tは中学生にして有段者。
俺やほかの友人たち相手には一応「指導」の意味もかねて互角に戦ってくれてたんだ。
しかし天狗になってるSには容赦ないT。猛攻で簡単にSの守りをつぶすと、
あっというまに詰めてしまった。これまで完敗のなかったS、ただただ茫然。

TはSの戦術の欠陥を指摘し、「この手はやっちゃダメなんだよ」と言うのだが、
Sは「それはオレのやり方なんだ!」の一点張りで聞こうともしない。
一方で俺やほかのリーグ戦メンバーはSの戦術の咎め方を教わり、またTとの対局で指し方を覚え、
ついにある時のリーグ戦でSが全敗ビリになった。
それでもS、「オレのやり方」を一切変えようともせず、相変わらず俺らに負け続けた。

高校受験の結果発表の日、俺やほかのリーグ戦メンバーは志望校に合格、
しかし勉強も「オレのやり方」を変えなかったSは泣きながら無言で去っていった。
Tには感謝してる。しかしあれから十数年が過ぎ、Tが勤めた会社が不況でつぶれ、
派遣社員として必死の生活をしていることを知って複雑な心境になった。
Sのことは何も知らない。



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